慶応卒・元コンサルのゆうママが、おうちモンテ・おうち英語をお届けするママブログ

斉藤工も学んだ!シュタイナー学校の建築は、子どものこころを丸くする!?

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2歳4歳のワンオペ育児中のアラサー。 激務コンサル会社を辞め、子育てマニアになるべく日々精進中。 慶応経済卒で学歴コンプを抱えつつ、子供が個性を最大限に生かすことができるよう、おうちモンテやおうち英語に取り組む。
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先日行われた、大阪府立大学主催の「教員のためのシュタイナー講座」を受講してきました。京田辺シュタイナー学校を建築した伊藤 壽浩氏をゲスト講師に迎えた2月19日の講義テーマは、シュタイナー建築。

参照:大阪府立大学講座ページ

ドラマ「昼顔」でブレイクしたイケメン俳優の斉藤工さんが通ったことでも話題のシュタイナー教育。日本の公教育が、箱ものに合わせた教育をする一方で、シュタイナー教育では「子ども」に合わせた箱ものを用意します。中でも、京田辺シュタイナー学校の建築は、1年生から12年生までの各教室がそれぞれ異なり、子ども達の発達過程に対応した建築となっていることが特徴です。

子ども達を時に優しく包み込み、時に優しく守り、自我の発達を見守る。子どもの成長とともに学校も成長していく。そんなシュタイナー建築について、講座での学びをまとめました。

建築が無意識下に人間に与える影響

普段暮らしている限り、あまり建物の構造や素材などを意識することは少ないですよね。しかし、映画中に一瞬「コーラを飲め」という表示をすると、コーラの売り上げがあがったというサブリミナル効果があるように、無意識のなかでも建築が人間に与える影響は大きいと伊藤氏は指摘します。

また、特に子どもは無意識に行動することが多く、どんな環境で育つかという環境=建築物は大きな影響を与えると言うことでした。

シュタイナー建築とは

シュタイナー建築は教室によって色が違う

Soorelis / Pixabay

シュタイナーの考える建築理念

ルドルフ・シュタイナーは、歯が生え変わる7歳までに身体器官のフォルムを形作る必要があると言っています。人間は誕生前は「母体」という最高の環境の中で育ちますが、生まれた後の環境は、保育者が整える必要があります。

シュタイナー建築について書かれた本に上松 佑二氏の「シュタイナー建築」というものがありますが、その中で

シュタイナーは「学校建築とは、芸術的に造形された有用建築である」と語っていたという。

その建築理念は単に機能的なものではなく、〜中略〜 内容と形式が一致したものである。

それが学校建築であれば、その中で教えられる教育内容に対応した教育空間が作られることになる。その内容が生き生きしたものである限り、その器もまた生き生きしたものになる。

と語っている。

器の話は、クルミの実と殻に例えられる。殻の形状がある程度その実の形状を表すように、学校という建物は学校教育の内容をある程度表すものになるということなのだそう。

参照サイト:シュタイナー建築

学校にふさわしい器とは?

では学校にふさわしい器を考えるときに、子どもとはどういう存在かを考える必要がある。例えば赤ちゃんは、何でも口にいれ、周りと一体化する存在だ。好奇心が外側に向けられており、常に意識が外に向いている。その反面、外から何かを吸収しようとしている。一方、大人になるにつれ、外の世界との一体化ではなく外の世界とある程度分離した上で、自分の頭で考えるようになっていく。

つまり、大人と子どもとでは、また子どもでも1年生と6年生では、状況が違うので、それにふさわしい器の状態も違ってくる。というのがシュタイナー建築の考え方なのだ。

大人のための空間と、子どものための空間は違う。これが学べただけでも、私にとっては大きな収穫でした。

フォルムの違いが私たちに与える影響

講義のなかで、実際にフォルムの違いによる影響を感じる体験学習がありました。これは自宅でも出来ることなので、実際にやってみると良いでしょう。用意するものは、木でできた球と木でできた立方体。どちらも手のひらにのるサイズで十分だ。

まず、球をぎゅっと握って、何を感じるか書き出そう。そして次に、立方体でも同じことをする。

どうだろうか?実際に私が体験してみると、球はずっと握っていたい気分にかられるくらい手になじんでいく。まさに一体化していく体験ができた。一方、立方体を握ってみると・・・先ほどの球とは大違いで、落ち着かない感じ。思わず、すぐに手放してしまった。先ほどの球で感じた安堵感とは違う、なにかこう、拒絶されているような感触。

ここまでもフォルムが与える影響が違うというのは、意識したことが無かった!にも関わらず、建物というのはほとんど立方体で出来ている!

シュタイナー建築では、角をなるべく無くし、円形に近づけるというのが納得がいった。そもそも、自然界には立方体で出来ているものは少ない。人間のこころが落ち着くのは、ガウディが直線ではなく楕円で建築したような、「角」の無い場所なのかもしれないと感じた。

日本の学校は立方体でコンクリートで無機質な建物が目立つが、それが子どもの心に与える影響って研究されていないだけで大きいのではないか?と思わずにいられなかった。

京田辺シュタイナー学校の教室の特徴

日本の風土との融合:縁側的空間を設けた

ドイツ発祥のシュタイナー建築は、その気候のせいで壁がどしっとしていて、窓も小さい。しかしそれをそのまま日本に移入したのでは、日本の風土にそぐわない。そこで、伊藤氏が工夫したのが、日本的建築の特徴である「中間領域」を設けた点だ。

外国では、外と内をばしっと二分するが、日本では庭に出る前に縁側を設けるなど、「中間領域」を設置する。これは日本独自の建築様式だそう。

シュタイナー学校でも、それを取り入れ、1階の教室には縁側のような廊下が設けられ、そこから庭につながるように建築されていた。

1年から12年まで各教室が異なる

子どもの成長に合わせた器を作るのがシュタイナー建築のポイントとなるが、1年生から12年生まで、それぞれで教室の建築が異なっている。

1年生の教室は、天井がピンク色で、円形に近づけた形状となっている。子ども達を優しく包み込み、一体化するイメージだ。

一方、自我が芽生えはじめる7年生の教室は天井は緑色、そして天井は1年生とは逆に天井が盛り下がって空間が二分されるように設計されている。

そして12年生になると再び、1年生のころのような円形上になり、天井は藤色になる。自我が芽生えた上で、再び一体化しようという心の成長に見合った器がデザインされている。

まとめ

シュタイナー建築では、木や大理石などなるべく自然のものに近い素材を使用する。京田辺シュタイナー学校は、自然のもので出来ており、非常に暖かい印象を受ける建物だった。コンクリートの立方体の中で過ごす12年と、暖かい自然素材の中で包まれて過ごす12年。そこで育まれる子ども達のこころは、いったいどれくらい違うのだろうか?そう思わずにいられなかった。けれども、こうしたシュタイナー建築は文科省の認可が得られず、京田辺のシュタイナー学校は未だにNPO法人で寄付などで頑張っている状況だ。

最後に、建築家の伊藤氏に「無機質な四角い教室で、明日からシュタイナー教育をしたいという相談があったときにまず何から手をつけるか?」と質問してみた。

  • まず、角をとる。角に飾りをつけて意識させないだけでも効果がある
  • 次に照明。やはり蛍光灯ではなく、電灯などの周りを照らすものが効果がある

ということだった。学校よりも過ごす時間の長い「家」で上記のことが少しでも意識して取り組めれば、子どもに与えられる環境も変わってくるのではないか?と感じた。

少しでもシュタイナーを取り入れたいママは、ぜひ「飾り」で角をとる・「照明」を変えるなど出来るところから初めてみるのはいかがでしょうか?

大阪府立大学では今後もシュタイナー講座をされていくようです。なかなか、シュタイナー教育って本で読んでも想像しにくいのではないでしょうか?私自身、シュタイナー教育ってちょっとスピリチュアルで、つかみ所がないイメージでした。機会があれば、京田辺シュタイナー学校も見学してレポートしてみたいと思っています。

 

以上、ゆうママでした!

 

 

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