モンテッソーリの算数教育【10進数の提示】1、10、100、1000を体感して学ぶ
モンテッソーリの算数教育のなかでも特徴的な教具が金ビーズですね。この金ビーズを子供たちに紹介していくお仕事についてまとめました。
金ビーズとは
10進数を具体物で学ぶためにモンテッソーリ女史が生み出した教具です。
本当は本物の真珠で作ろうとしたほど、モンテッソーリ女史はその教具の美しさにこだわりました。なんといっても子供たちにとって興味がそそられることを重要視しています。
日本で販売されているものは少々アレンジされていまして、真珠のような輝きの黄金ビーズを用いているものから、プラスチック感あふれるものまで様々です。プラスチック製の透明なタイプでも、かなり高額になりますので手作りされる方も多いようです。
1、10、100、1000の金ビーズ
これが1、10、100、1000の金ビーズです。
そしてそれに対応する数字カードも使用しながら、具体物と抽象(数字)を一致させるお仕事を行います。
10で単位が変わる
10進数は数学の基礎ともいえる概念です。それが目に見えて体感できるように工夫されたのがこちらの教具。
(ピグマリオンの算数棒などはおそらくこの概念からヒントを得ているように思いました)
10のビーズは1のビーズが10個連なった「棒状」
100のビーズは10の棒状が連なった「面」
1000のビーズは100の面が連なった「立方体」
です。
感覚教具とのつながり
子供たちは算数教育に入る前にしっかりと感覚教具のお仕事をしています。
この感覚教具での経験が、鍵の手の理論でこちらの金ビーズにも連なっているのです。
赤い棒や算数棒で、10は1の10倍ということを体感し、ピンクタワーでは1番小さい立方体と一番大きな立方体はちょうど1:1000の割合となるようになっています。
これは、金ビーズにおいて、10の棒状ビーズと1000の立方体ビーズのそれと同じ感覚値です。
ちょっとしたことですが、子供たちがスモールステップで学びやすいように工夫されている点が、モンテッソーリ教育の奥深い点だと学べば学ぶほど感じています。
提示
並べる、数える
まずは具体物として1、10、100、1000のビーズを並べて、子供たちに数える提示をしていきます。
並べ方は右側から1を並べていきます。位取りの概念がここで入っているのが分かります。
1のビーズを確認し、次に10のビーズを1のビーズを使って数えていきます。100のビーズは、10のビーズを使って数えていきます。これを1000まで行います。
1のビーズは非常に小さくて数えるのも一苦労なのですが、これまでに日常生活の練習で手先が洗練されてきている子供たちには困難なことではないようです。
セガンの名称練習
こうしてすべてを数え終わったら、セガンの三段階の名称練習で量と数詞を一致させるお仕事を行います。
まずこれが1です。とすべての数量の数詞を教えていきます。次に、では1のビーズはどれですか?と聞いていきます。
そして最後の段階で、「これは何ですか?」と名称をきいていきます。
子供にアウトプットをいきなり求めてはいけないという教訓になりますね。
数量と数詞の一致
そして、名称練習でしっかりと名称を理解してから、数詞カードとの一致も加えていきます。
1日ですべての段階が終わる人もいれば、徐々にすすめていくやり方もあるので、その子供に応じたステップでお仕事をしていくことが大切です。
子供の反応
息子は、1000のことを言いたくて、10の10の10!と言っていたので今回のこの10進数のお仕事をすることにしました。
1000の立体の重さや大きさをじっくりと触って、持ち上げて感じていました。
こうして、実際に1000という数を感じることができるのが、モンテッソーリの算数教育の醍醐味です。
小学校での算数だと、抽象の概念からスタートすることも多いので、こうして具体物があると子供たちの興味関心の幅や深さも異なるのではと感じています。
教具の購入先
今回の教具はモンテママのたからものさんで購入しました。アメリカの廉価版販売サイトだともっと格安で販売されているのですが、送料を考えるとこちらのほうが割安でかつ、安心感があったので。
しかしながら、結構高価な教具なので、本格的に上級算数をおうちモンテで取り入れることになれば、アメリカの通販サイトからの個人輸入も考えています。
まとめ
以上、モンテッソーリの算数教育10進数についてでした。
金ビーズは手作りされている方がおられたり、たまにメルカリでも販売があるのでこまめにチェックしてもいいかもしれません。